注文住宅を建てる際、市・県・国の補助金を組み合わせることで、家づくり予算を抑えられるケースがあります。ただし、各制度には申請順序・期間・要件があり、組み合わせ方を間違えると一部の制度が対象外になる可能性もあるため、計画初期段階での確認が重要です。
このページでは、相模原市で注文住宅を新築する場合に活用できる主な補助金併用パターンを、新築(注文住宅)で使える制度に絞って整理しました。
最終更新:2026年5月時点/出典:相模原市公式サイト・国土交通省みらいエコ住宅2026事業公式情報・神奈川県公式サイト
注文住宅で使える主な補助金制度(2026年度)
国の制度
- みらいエコ住宅2026事業:2024年度の「子育てエコホーム支援事業」、2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」の後継として2026年度に創設された国の補助制度。相模原市は地域区分5〜6(一般地域)に該当するため、GX志向型住宅110万円、長期優良住宅75万円(建替で95万円)、ZEH水準住宅35万円(建替で55万円)。ZEH水準住宅(注文住宅)のみ申請期限が2026年9月30日に短縮されている点に注意。
- 住宅ローン控除:13年間の所得税控除(控除率0.7%)。住宅性能と世帯条件によって借入限度額が変動。長期優良住宅・低炭素住宅は子育て・若者夫婦世帯で5,000万円、その他世帯で4,500万円。ZEH水準住宅は子育て・若者夫婦世帯で4,500万円、その他世帯で3,500万円。省エネ基準適合住宅は子育て・若者夫婦世帯で4,000万円、その他世帯で3,000万円。
相模原市の制度
- 住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金:太陽光発電8万円、定置用リチウムイオン蓄電池20万円、ZEH 30万円など。コースごとに対象設備と奨励額が設定されている。令和7年度実績ベース。
- 結婚新生活・移住定住支援事業:婚姻時点で夫婦双方が39歳以下、合算所得500万円未満の世帯の引越費用(住宅本体ではなく引越し代)に上限15万円。
神奈川県の制度
- 神奈川県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金:中小工務店(中小企業基本法上の中小企業者)が施工するZEHを対象。ZEH+/Nearly ZEH+ 90万円、ZEH/Nearly ZEH 55万円、ZEH Oriented 50万円。大手ハウスメーカーは対象外。
典型的な併用パターン3選
パターン1:子育て世帯×長期優良住宅×建替(最大限の併用例)
18歳未満の子がいる世帯、または夫婦のいずれかが39歳以下の世帯が、長期優良住宅で建替を行うケース。みらいエコ住宅2026事業の最大の恩恵を受けやすい構成です。
- 住宅ローン控除(長期優良住宅・子育て世帯枠):最大455万円程度(13年間の所得税控除、5,000万円×0.7%×13年)
- みらいエコ住宅2026事業(長期優良住宅・建替):95万円
- 相模原市住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金(ZEHコース等):最大30万円程度
- 合計支援額:最大580万円程度(住宅ローン控除分は13年間の合計)
パターン2:すべての世帯×GX志向型住宅
子育て世帯・若者夫婦世帯ではなくても利用できるGX志向型住宅(断熱等級6以上+再エネ100%以上削減等)を選ぶケース。世帯条件がないため、共働きシニア世帯や単身世帯でも対象になりやすい構成です。
- 住宅ローン控除(長期優良住宅・その他世帯):最大409.5万円程度(4,500万円×0.7%×13年)※GX志向型は長期優良の認定取得が前提となる場合が多い
- みらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅):110万円
- 相模原市住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金:最大30万円程度
- 合計支援額:最大550万円程度
パターン3:中小工務店×ZEH+住宅
地場の中小工務店に依頼してZEH+住宅を建てるケース。神奈川県のZEH補助金が活用できる構成です。
- 住宅ローン控除(ZEH水準住宅・子育て世帯枠):最大409.5万円程度(4,500万円×0.7%×13年)
- みらいエコ住宅2026事業(ZEH水準住宅・建替):55万円
- 神奈川県ZEH補助金(ZEH+):90万円
- 相模原市住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金(ZEHコース):最大30万円程度
- 合計支援額:最大585万円程度(県と市の併用可否は要確認)
申請順序と注意点
注意1:併用不可の制度に注意
みらいエコ住宅2026事業の補助対象住宅と同じ住宅では、原則として「先進的窓リノベ2026事業」「給湯省エネ2026事業」の補助金を重複して受けることはできません。国の他補助制度との併用は要綱で個別確認が必要です。また、神奈川県のZEH補助金と相模原市の奨励金は併用可否を要確認です。
注意2:申請のタイミング
多くの補助金は契約前または着工前に申請が必要です。みらいエコ住宅2026事業は2025年11月28日以降の基礎工事着手が対象(前年度の「子育てグリーン住宅支援事業」では基礎工事より後の工程からが対象でしたが、2026年度は基礎工事に着手したものに変更)。相模原市の各種制度も着工前の事前届出が必要なものが多く、契約後・着工後では対象外になる制度もあります。家づくり計画の初期段階で活用予定の制度を整理しておきましょう。
注意3:登録事業者での建築
みらいエコ住宅2026事業は「みらいエコ住宅事業者」として登録された建築会社での建築が必要です。神奈川県ZEH補助金は中小工務店(中小企業基本法上の中小企業者)に限られます。会社選びの段階で、補助金事業の登録状況・申請実績を確認してください。
注意4:性能評価書の取得
長期優良住宅・ZEH対象の制度では、第三者の性能評価書(BELS評価書、長期優良住宅建築等計画認定通知書など)が必要になることが多いです。標準で性能評価書付きの会社を選ぶか、オプションで取得するかを契約前に決めましょう。
注意5:年度ごとの予算枠
補助金は年度ごとの予算枠があるため、予算上限に達すると締め切られる制度もあります。みらいエコ住宅2026事業のZEH水準住宅(注文住宅)は申請期限が2026年9月30日に短縮されているため、計画段階から早めに申請準備を進めることが重要です。
注意6:世帯要件の確認
みらいエコ住宅2026事業の長期優良住宅・ZEH水準住宅は子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)または若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下)が対象です。世帯の状況によって対象外になることもあるため、事前確認が必須です。GX志向型住宅はすべての世帯が対象です。
注意:注文住宅では使えない(または対象外の)制度
相模原市の住宅関連補助には、注文住宅の新築では対象外になる制度もあります。インターネット記事などで「相模原市で使える補助金」として紹介されていても、注文住宅の新築では使えないものがあるため、混同しないように整理します。
- 子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業:名前のとおり中古住宅の取得・改修専用で、新築(注文住宅・建売)は対象外です。
- 地方創生移住支援事業(東京圏からの移住で単身60万円・世帯100万円):神奈川県内では三浦市・山北町・箱根町・真鶴町・湯河原町・清川村のみが対象で、政令指定都市の相模原市は対象外です。
会社選びと補助金の関係
補助金を最大限活用するには、会社選びの段階で以下を確認することが重要です。
- みらいエコ住宅2026事業の登録事業者(みらいエコ住宅事業者)か
- 長期優良住宅・ZEH対応の標準仕様か(オプション扱いか)
- 性能評価書(BELS評価書等)の取得が標準か
- 太陽光発電・蓄電池の取り扱いがあるか
- 過去に補助金申請をサポートした実績があるか
- 神奈川県ZEH補助金を狙う場合、中小工務店(中小企業者)に該当するか
大手ハウスメーカー(三井ホーム、住友林業、積水ハウス、ミサワホーム、一条工務店、木下工務店など)は補助金対応の経験が豊富で、申請手続きを会社側でサポートしてくれるケースが多いです。一方で、神奈川県ZEH補助金のように中小工務店限定の制度もあるため、依頼する会社の規模と狙える補助金は連動して考える必要があります。