相模原市で注文住宅を建てる際、土地代は総予算に占める比重が大きい項目です。3区それぞれで土地相場が大きく異なり、同じ駅徒歩圏でも周辺環境・土地条件によってさらに価格が変動します。リニア中央新幹線の橋本駅整備計画の影響で、中央区・緑区の橋本駅周辺は今後の地価上昇も予想されています。
このページでは、相模原市の土地相場を3区別・駅別に整理しました。土地探しの段階で、エリア別の予算感を把握する材料としてご活用ください。
相模原市3区の土地相場概観
相模原市3区の土地相場は以下のような関係になっています。
- 南区が最も高め:小田急線沿線の都心通勤圏として人気が高く、相模大野駅徒歩10分圏で坪90〜150万円(2025年公示地価ベース、商業地寄り地点はさらに高額)
- 中央区が中間:行政・商業の中心で利便性は高いが、南区より地価はやや抑えめ。橋本駅徒歩10分圏で坪50〜80万円(リニア駅整備で上昇傾向)
- 緑区が最も抑えめ:市街化調整区域が広く、市街化区域でも駅近を除けば坪20〜45万円程度
同じ「駅徒歩10分圏」でも、3区で坪単価が30万円以上違うこともあります。土地予算と建物予算のバランスを考える上で、エリア選びは大きな分かれ目になります。
中央区の土地相場
橋本駅周辺
JR横浜線・相模線・京王相模原線の3路線が乗り入れる交通の要衝。リニア中央新幹線の駅整備が決まっており、再開発が進行中。
- 駅徒歩10分圏:坪50〜80万円(住宅地公示地価平均は坪約57万円、駅前商業地寄り地点はさらに高額)
- 駅徒歩20分圏:坪35〜55万円
- 動向:リニア駅整備の影響で2025年公示地価は前年比+6.5%上昇。今後さらなる上昇予想
相模原駅周辺
JR横浜線の主要駅。米軍相模総合補給廠の返還地整備でも注目。
- 駅徒歩10分圏:坪40〜55万円
- 駅徒歩20分圏:坪35〜45万円
- 動向:返還地整備で長期的な地価上昇可能性あり
上溝駅・南橋本駅周辺
JR相模線沿線の駅。古くからの住宅街が広がり、地価は中央区の中でも抑えめ。
- 駅徒歩10〜15分圏:坪30〜45万円
- 動向:安定的、大きな変動は見込まれず
南区の土地相場
相模大野駅周辺
南区の中心駅で、商業施設「ステーションスクエア」「ボーノ相模大野」などが立地。南区の中で最も地価が高いエリア。
- 駅徒歩10分圏:坪90〜150万円(住宅地公示地価平均は坪約117万円、商業地寄り地点はさらに高額)
- 駅徒歩20分圏:坪60〜90万円
- 動向:都心通勤圏としての需要が安定的に高く、2025年公示地価で前年比+5.85%上昇
小田急相模原駅周辺
住宅地の性格が強い駅周辺。商業施設は限られるが、相模大野駅・町田駅へのアクセスも良く住宅予算を抑えやすい。
- 駅徒歩10分圏:坪50〜65万円
- 駅徒歩20分圏:坪40〜55万円
- 動向:安定的
東林間駅周辺
住宅地として落ち着いた雰囲気のエリア。相模大野駅・町田駅へのバスアクセスも良い。
- 駅徒歩10分圏:坪45〜55万円
- 駅徒歩20分圏:坪35〜45万円
- 動向:安定的
古淵駅周辺
JR横浜線の駅で、町田駅・橋本駅へのアクセスが良い。
- 駅徒歩10分圏:坪45〜60万円
- 動向:JR沿線の利便性で人気
緑区の土地相場
橋本駅周辺(緑区側)
中央区との境界に位置し、リニア整備の影響を受けるエリア。
- 駅徒歩10分圏:坪50〜70万円
- 駅徒歩20分圏:坪35〜50万円
- 動向:リニア駅整備で上昇圧力
相原駅周辺
JR横浜線の駅で、東京都町田市と隣接するエリア。
- 駅徒歩10分圏:坪35〜50万円
- 駅徒歩20分圏:坪30〜40万円
- 動向:都心通勤圏で安定的
城山中野・大島・田名エリア
緑区中央部の市街化区域に位置する住宅地。敷地に余裕がある区画が多い。
- 市街化区域内:坪20〜35万円
- 動向:安定的、大きな変動は見込まれず
城山エリア(旧城山町域)
緑区東部のうち旧城山町域は相模原都市計画区域(線引きあり)に属し、市街化区域と市街化調整区域が混在します。市街化区域では住宅地として整備されたエリアもありますが、調整区域では住宅の新築は原則制限されます。
- 市街化区域内:坪20〜35万円
- 市街化調整区域:坪10〜20万円程度(建築可能性は要確認)
津久井・相模湖・藤野エリア(非線引き区域)
旧津久井町(一部)・旧相模湖町全域・旧藤野町(一部)は相模湖津久井都市計画区域に属し、線引きなしの非線引き区域です。市街化調整区域とは別ルールで、住宅の新築自体は原則として可能ですが、用途地域指定がなく、上下水道・道路などのインフラ整備状況や接道条件によって建築可否・コストが大きく変わります。
- 非線引き区域内:坪5〜20万円程度(接道・インフラ・形態制限を要確認)
- 動向:自然環境豊かなエリア、需要は限定的だが移住・別荘ニーズあり
「緑区=市街化調整区域で建てられない」と単純化せず、土地ごとに区域区分を確認してください。詳細は市街化調整区域と非線引き区域のページを参照。
本ページの数値について
本ページの坪単価は、国土交通省「地価公示」令和7年(2025年)データ、各駅周辺の取引事例(SUUMO・国土交通省不動産情報ライブラリ)、および相模原市財政局管財課「相模原市における地価公示の概要」を参考に、住宅地用途・徒歩圏で建てる際の実勢価格レンジとしてまとめたものです。商業地や駅前一等地(相模大野3丁目など)は別途公示地価が大きく異なります。実際の土地価格は形状・接道・古家有無・用途地域などで変動するため、契約前に必ず複数の不動産会社で査定を確認してください。
土地相場の動向
リニア中央新幹線の影響
当初は2027年の開業を目指していたものの、静岡工区をはじめとする工事の遅れにより、JR東海は2027年開業を断念し、品川〜名古屋間の開業は最短でも2034年以降の見通しとなっています(2026年5月時点)。それでもリニア中央新幹線の橋本駅(神奈川県駅・仮称)整備は、相模原の土地相場に中長期的な影響を与えると見込まれます。橋本駅周辺は中央区・緑区の両側で再開発が進行中で、商業施設・住宅地の整備が進んでいます。
橋本駅周辺の土地相場は、開業前後でさらに上昇する可能性があります。投資的観点で土地を購入する場合、長期的な資産価値の維持が期待できる一方、住宅用地として購入する場合は早期の検討が有利になりやすい状況です。
米軍相模総合補給廠返還地
JR相模原駅周辺の米軍相模総合補給廠の返還地整備も、長期的に中央区の地価に影響します。商業・住宅・公共施設の複合開発が予定されており、相模原駅周辺の利便性向上が見込まれます。
都心回帰の影響
都心の地価高騰の影響で、相模原市は都心通勤圏としての魅力が再評価されています。とくに南区の小田急線沿線、中央区の橋本駅周辺で需要が高まりつつあります。
土地探しのポイント
ポイント1:駅徒歩距離と土地価格のバランス
同じエリアでも、駅徒歩5分と20分では土地価格が30〜50%変わります。「絶対に駅近」と決めず、駅徒歩15〜20分圏も視野に入れると、土地予算を抑えて建物予算に余裕を持たせられます。
ポイント2:用途地域・規制の確認
土地相場は用途地域・建ぺい率・容積率・地区計画によっても変動します。「安い」と思った土地が、地区計画の最低敷地面積規定で建築不可だった、というケースもあります。土地契約前に必ず規制を確認してください。
ポイント3:相続・建替えなら土地代が不要
親世帯所有の土地に建替えるケースでは、土地代がかからない分、建物予算に余裕を持たせられます。相続税対策として二世帯住宅を検討する場合は、小規模宅地等の特例の活用も検討してください。