相模原市の市街化調整区域での建築可能性|緑区中心の調整区域の家づくり【2026年版】

市街化調整区域は、都市計画法によって「市街化を抑制すべき区域」として指定されたエリアで、原則として住宅の新築が制限されています。相模原市では緑区を中心に広い面積が市街化調整区域に指定されており、津久井・城山・藤野エリアの大部分がこれに該当します。

「相続した実家の土地が調整区域だった」「親が住んでいた古家を壊して建て替えたい」というケースは珍しくありません。条件を満たせば建築できる例外もありますが、対応できる工務店・ハウスメーカーは限られます。このページでは、相模原の調整区域で家を建てる方法と注意点を整理します。

市街化調整区域とは

都市計画法では、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に分ける線引き制度を採用しています。市街化区域は市街化を促進するエリアで、住宅・商業施設・工業施設などが計画的に建てられます。一方、市街化調整区域は市街化を抑制するエリアで、原則として建物の新築・増築が制限されます。

線引き制度の目的は、都市の無秩序な拡大を防ぎ、計画的な土地利用を実現することです。市街化区域では公共施設・道路・上下水道などのインフラが整備され、住宅地として開発されますが、調整区域では自然環境・農地・森林が保全されます。

相模原市の調整区域の分布

相模原市内の市街化調整区域は、緑区を中心に広い面積に分布しています。具体的には以下のエリアの大部分が調整区域に該当します。

  • 津久井湖・相模湖周辺
  • 城山地区
  • 藤野地区
  • 緑区の山間部

緑区の市街化区域は、橋本・相原・城山中野・大島・田名などに集中しており、それ以外のエリアは概ね調整区域です。中央区・南区にも一部調整区域がありますが、緑区ほどの面積ではありません。

調整区域で建築可能な3パターン

調整区域は原則として住宅の新築が制限されますが、条件を満たせば建築できる例外があります。代表的なのは以下の3パターンです。

パターン1:既存宅地確認を受けた土地

市街化区域と市街化調整区域の線引きが行われる前から宅地として利用されていた土地(線引き前宅地)で、一定の条件を満たすものは「既存宅地」として扱われ、建築が認められます。

既存宅地として認められる条件は、概ね以下のとおりです。

  • 線引き(相模原市の場合は1971年など)以前から宅地であった土地
  • 50戸以上の連たんする集落の中にあること
  • 都市計画法に基づく開発許可を必要としない要件を満たすこと

ただし、既存宅地の制度は法改正により適用範囲が縮小されており、現在は新規認定が難しいケースもあります。実家の土地が既存宅地に該当するかどうかは、相模原市の都市建設局・建築指導課で個別に確認する必要があります。

パターン2:農家住宅

農業を営む方が、自身の農地に隣接する土地に住宅を建てる場合、農家住宅として建築が認められることがあります。これは農業を継続するために必要な居住として位置づけられるものです。

農家住宅として認められる条件は、概ね以下のとおりです。

  • 申請者が農業を営んでいること(農業従事者証明など)
  • 住宅が農地と一体的に利用されること
  • 規模・用途が農業経営に必要な範囲であること

農家住宅は、農業を継続することが前提の制度です。建築後に農業をやめると、用途違反になる可能性があるため、長期的な営農計画も含めた判断が必要です。

パターン3:開発許可を経た建築

調整区域でも、開発許可を取得すれば一定の規模の住宅団地・分譲地を造成して建築することが可能です。これは大規模な開発事業者が手続きを行うのが一般的で、個人で開発許可を取って自宅を建てるケースは多くありません。

個人レベルで開発許可を活用する例としては、以下のようなケースがあります。

  • 既存集落周辺での住宅建築(連たん要件を満たす場合)
  • 高齢者・障害者などの介護目的で家族が近隣に建てる場合
  • 自然災害により被災した方の代替住宅

調整区域で建築する際の手続きと期間

STEP1:建築可能性の事前相談

まず相模原市の都市建設局・建築指導課に事前相談します。土地の所在地・現況・所有関係を伝え、建築可能性のパターン(既存宅地・農家住宅・開発許可)を判断してもらいます。この段階で「建築不可」の判断が出る土地もあります。

STEP2:必要書類の準備

建築可能性が確認できれば、申請に必要な書類を準備します。土地の登記情報、現況図、線引き前後の所有関係を示す資料、農家住宅の場合は営農証明など、ケースによって必要書類が異なります。

STEP3:申請・審査

必要書類を揃えて申請。市役所での審査を経て、建築可否が判断されます。申請から許可まで2〜6ヶ月かかることが一般的で、ケースによってはさらに長期化することもあります。

STEP4:建築確認申請

調整区域での建築許可が下りた後、通常の建築確認申請に進みます。ここから先は市街化区域での建築と同じプロセスです。

調整区域で建てる際のコスト要因

調整区域での建築は、市街化区域と比べて以下のコストが追加されることがあります。

申請関連費用

調整区域での建築許可申請には、行政書士費用、調査費用、図面作成費用などが追加でかかります。10〜50万円程度が目安です。

インフラ整備費用

調整区域では上下水道・電気・ガスのインフラが整備されていないことがあります。引き込み距離が長い場合、引き込み工事費が100〜300万円かかることも。事前に各インフラ事業者に問い合わせて費用を確認しておくと安心です。

地盤調査・改良費用

山間部・郊外では、地盤の状態が市街地と異なることがあります。地盤調査と必要に応じた改良費が、市街化区域より高めになる傾向があります。

工事車両アクセスの問題

狭い農道や私道を経由する立地では、工事車両のアクセスが制約されます。生コン車・クレーン車が直接入れず、特殊運搬や手運び搬入が必要になると、追加コストが発生します。

調整区域でよくある誤解

誤解1:「親が住んでいる土地だから建てられるはず」

親世代が長年住んでいる古家がある土地でも、建替え時に建築不可になるケースがあります。古家が建てられた当時は規制が緩かった、線引き前から宅地利用されていた、などの個別事情があり、現在の制度で建替えが認められるかは別問題です。

誤解2:「土地を所有しているから自由に建てられる」

土地の所有権と建築可能性は別の問題です。調整区域では、土地を所有していても建築許可なしには家を建てられません。「自分の土地だから」という理由は通用しないため、必ず行政相談を経てから判断してください。

誤解3:「価格が安いから狙い目」

調整区域の土地は市街化区域より安いことが多いですが、建築できなければ意味がありません。建築可能性を確認する前に「価格が安いから」と契約すると、建築不可で土地を持て余すリスクがあります。

調整区域対応に強い会社を選ぶ

調整区域での建築は、行政との折衝・申請手続きの経験が必要です。対応できる工務店・ハウスメーカーは限られるため、調整区域での建築実績を公表している会社、または対応経験を初回相談で具体的に話せる会社を選ぶことが重要です。

必要に応じて、行政書士・宅建士などの専門家と連携できる会社が安心です。緑区の調整区域で土地を所有している方、検討している方は、まず相模原市の都市建設局に行政相談し、その後で対応可能な会社に相談する流れがおすすめです。

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